消防用設備等取扱研修会
こんにちは。
かし熊の『たのうえ』です。
先日のブログでも書きましたが
各テナントビルの消防訓練は、テナント従業員の方に向けて
年2回(春と秋)実施しています。
私達は、それを指導させて頂く立場となります。
訓練は、繰り返し実施する事でより身に付いていくものですが
私達も研修会等で、今までのおさらいや新しい知識を
得たりしているんですよ。
という訳で、昨日(平成25年11月12日)船橋市消防局と
船橋市自衛消防協会が主催する研修会に参加してきました。
各テナントビルの消防訓練では
「通報訓練、初期消火訓練、避難訓練」の3つを柱としていますが
ビル管理者としての訓練内容は、それとは少し異なります。
1:ビデオ上映
・消防用設備の操作要領
・消防用設備等の概要説明
2:通報訓練
・119番通報
3:消防用設備取扱い訓練
・消火器
・屋内消火栓設備
・自動火災報知設備
・非常放送設備
4:総合訓練
・火災発生から消火完了までの一連の流れ
・・・このような内容で、所要時間は約3時間です。
「1:ビデオ上映」では、火災発生現場の実例を取り上げ
何故、初期消火で対応できず、大きな火災になってしまったのかや
どのようにしていればそれを防げたのか・・・という内容や
一般的に使用されている消防用設備について学びました。
消防用設備は様々な種類があり
「消火用設備・避難設備・警報設備」等に分類されますが
一般的に設置されている消火用設備ひとつをとっても
その種類は多岐に及びます。
・粉末消火器
・強化液消火器
・二酸化炭素消火器
・屋内消火栓
・屋外消火栓
・スプリンクラー
・不活性ガス消火装置
・連結送水管
・etc
避難用設備としては「誘導灯・非常照明・避難はしご・緩降機・防火扉」等。
警報設備としては「自動火災報知設備・非常放送設備」等が挙げられます。
もちろん全てを知っておく必要はありませんが
「粉末消火器・防火扉・誘導灯・避難はしご・緩降機」程度は
知っておいて損は無いと思いますよ。
「2:通報訓練」では、数ヶ月前まで実際に119番通報を受けていた
消防隊員の方の指導を受け、訓練を行ないました。
その中で、通報時の注意点をいくつか伺ったのでお伝え致します。
・携帯電話で市境付近から通報する時は、住所を初めに伝える
(実際の管轄と異なった消防局に繋がる可能性がある為)
火災時の注意点は以下の通りです。
・火災時は、建物の総階数と火災発生の階数
(階数によって、出動する消防車やはしご車の種類が異なる為)
・逃げ遅れている人がいないか
(火災現場に到着後の行動優先順位に関係する為)
救急時の注意点は以下の通りです。
・何が原因で救急が必要になったのか
・性別やおおよその年齢
・呼吸の有無
・意識の有無
船橋市では、ドクターカーの制度を設けており
患者さんの呼吸や意識が無い時は、消防と一緒に
医師も現場に駆けつけるそうです。
また、119番通報で一方的に話をしてくる方が多いようで
その話の中には、消防として必要な情報は殆ど無いそうです。
実際に通報をされる時は、落ち着いて消防署員からの質問に
答えるようにしましょうね。
「3:消防用設備取扱い訓練」では、粉末消火器(訓練では水消火器)と
屋内消火栓(一号)、そして易操作性消火栓の3種類について
使用訓練を行ないました。
屋内消火栓(一号) 易操作性消火栓
粉末消火器については、これまでのブログで使用方法や
使用上の注意点をお伝えしてきたので割愛します。
消火栓についてですが、この2つの大きな違いは
屋内消火栓(一号)は、基本的に2名で操作するのに対し
易操作性消火栓は、1名で操作できる点です。
両消火栓の消火性能は高く、粉末消火器では対応できない
室内の天井に達しているような火災にも
対応可能な場合があります。
機会があれば、使い方を調べてみて下さいね。
もちろん、かし熊でもお教えできますよ。
続いて、自動火災報知設備と非常放送設備の
使用方法についても学びましたが
これらはビル管理者が使用する設備なので
内容については割愛致します。
最後に「4:総合訓練」についてですが
とあるビルの厨房にて火災が発生したと想定して
一連の流れを訓練しました。
・自動火災報知設備によって、感知器の作動を確認
・警報受信区画に移動し、火災の有無を確認
・屋内消火栓の送受話器から管理事務所に火災発見報告
・消火器による初期消火
・管理事務所より、非常放送を使用して「消火・避難」の開始指示
・119番通報
・避難誘導
・非常放送を使用して「消火・避難」の継続指示
・消火器による初期消火の応援対応
・火災現場から管理事務所への経過報告
・屋内消火栓による消火を開始
・火災鎮火
・非常放送を使用して「火災鎮火連絡、避難継続指示」
・非常放送をしようして「消火設備の停止指示」
訓練とはいえ、一連の流れで行なうと
個々の訓練では実施できていた事も
流れの中ではスムーズに行なえなかったり
次は何をしたら良いのか戸惑ってしまったりと
かなりの臨場感がありました。
実際の火災現場に遭遇したときには
これ以上の緊張感や危機感が出てしまうので
本当に身に付いている事だけしか
実施できないような気がします。
これで、消防用設備等取扱研修会は終了しましたが
最後に消防署員が言っていた言葉をお伝えします。
どんなに便利で優秀な設備を備えていても
それらが適切に維持管理できていなかったり
すぐに使用できる場所になかったり
使用方法を知らなかったりすれば
実際の災害時には、何の役にも立たない。
・・・改めて、身が引き締まる言葉でした。
以上、研修会のご報告となります。